――正しい日本語――
皆さんは日本語で文章を書く時、〝正しい日本語〟を意識していますか?
大学生であれば誰でもメールやレポート、論文を書くでしょう。サークルに所属しているのであれば会報を書くこともあるでしょう。もしかしたら創作活動の中で日本語を扱うこともあるかもしれません。
千葉工業大学では日本語表現法という講義が設けられているため、しっかり講義に出席していた方はある程度〝正しい日本語〟を書くことが出来るでしょう。しかし、講義を受けた人、あるいは日常的に日本語に触れている人であっても、時折〝正しい日本語〟を忘れてしまうことがあります。
そこで、ここでは日本語で文章を書く際、絶対に忘れてはならない〝正しい日本語〟の基本的なルールについて、いくつかピックアップしたいと思います。
《 自己紹介 》
本題に入る前に自己紹介から。
私は〝小鳥遊 銀〟というHNで、活動させていただいているソフメP班2回生です。〝小鳥遊〟とは、私が最も尊敬する方の苗字です。その方の人生観と創作観に大いに影響を受け、その方の苗字である〝小鳥遊〟という名前で活動させてもらってる次第です。
ソフメでは主にノベルゲームを中心に創作をしています。気が向いた時にイラストを描いたり曲も作っていますが、あまり人に見せたものではないです。内向的かつ大人しい性格であまり周知はされていないでしょうが、ここで知ってもらえると嬉しいです。
《 一 文章の基本的なルール 》
小学校、中学校の授業で作文の書き方を教わったと思います。それでなくても大学ではレポートや論文を書くため、ある程度の文章のルールは分かっているとは思います。ですが一応これも〝正しい日本語〟の表記なので、簡単に紹介します。
改行後は字下げ
閉じ括弧の直前に句読点は置かない
句読点、疑問符、感嘆符を行頭に置かない
句読点、疑問符、感嘆符に文章を続ける場合は一字空ける
以上の三つ。本当に基本的なことですが、これも〝正しい日本語〟を書く上で必要な要素です。唯一注意しなければいけないこととして句読点、疑問符、感嘆符はそこそこ多くの方が間違えるポイントです。
例えば……、
「!?頸に何かが当たった!」
上のこの台詞。これは〝正しい日本語〟ではありません。
正しくは……、
「ーーーー!? 頸に何かが当たった!」
これが正しい表記。「!?」は行頭に置くことができないので、驚きを表現する時は三点 リーダーやダッシュ等の記号を間に入れましょう。さらに「!?」の後に文章が続いているので、一字分間を空けましょう。
《 二 記号のルール 》
「メロスは激怒した。。。」
「メロスは激怒した・・・」
「メロスは激怒した…」
上の文章。これらは全て間違った日本語です。特に上二つはありえません。一つ目は閉じ括弧の直前で句読点を置いているので救いようがありません。三つ目は一見間違ってはなさそうですが、実は間違っています。
「メロスは激怒した……」
これが正しい表記。「…」(三点リーダー)を使う時は必ず二つ基準で繋げて表記しましょう。場合によっては三点リーダーを二つ以上繋げる場合は「…………は?」のように四つに繋げます。「メロスは激怒したーー否、それはメロスに扮した王その人であった」のように「ー」(ダッシュ)についても同じルールがあります。試しに小説を手にしてみると同じ表記になっているはずです。
ただし携帯小説やテキストを表示する範囲が狭いUIのゲーム等は三点リーダーが一つだけ表示されていることがありますが、可能であれば正しい表記を採用しましょう。
《 三 重複表現 》
よく聞きますよね。「頭痛が痛い」とか「はっきりと名言する」とか「あらかじめ予約する」とか云々。
それはそうだと納得する重複表現ですが、実は字書きのプロでもうっかり重複表現を書いてしまうことがあります。
というわけで問題です。以下の内、重複表現でないものはどれでしょう。
① 連日暑い日が続く
② 過半数を超える
③ 内定が決まる
④ まず第一に
⑤ 補足説明を追加する
⑥ 被害を被る
何個か怪しそうなものがありそうですね。がこれ全部重複表現です。一見しても分かりませんね。納得が行かないような人のために正しい表記を以下に示してみましょう。
① 暑い日が続く
② 過半数に達する
③ 採用が内定する
④ 第一に
⑤ 補足説明をする
⑥ 被害を受ける
こんな具合でしょうか。二つを比べてみると「あぁなるほど」と気付きますよね?
無限に思える量の文章を書いていく中でこんな文章にいちいち気を払わなければならないので、字書きは正直言って精神が摩耗します。本当に。
もっと間違いやすい二重表現とかもあったりするので、文章を書いていく中で少しでも「うん?」と思ったら迷わずGoogle先生に尋ねてください。
《四 表記の統一》
小説やラノベの新人賞第一審査で最も気を付けなければならないのはこれ。〝表記の統一〟です。言葉でうだうだ言うよりも、例文で見たほうが早いのでそちらで解説していきましょう。
「三万円の椅子を購入した。たかがイスで予定額の5千円を超えたが後悔はない」というこの台詞を憶えたが、他の科白を忘れてしまった。
これは誰が見ても気持ち悪い文章ですよね。あるいは僕だけでしょうか。
表記の統一とは、言葉の統一、漢字と平仮名の統一、数字の統一の三つに大別されます。この言葉にはこの表記、この言葉は漢字で、この数字は漢数字で等々。それを踏まえて上の文章を手直ししてみます。
「三万円の椅子を購入した。たかが椅子で予定額の五千円を超えたが後悔はない」というこの台詞を憶えたが、他の台詞を忘れてしまった。
赤文字になっている箇所が修正点。椅子は漢字表記に、台詞は「台詞」という漢字に、数字は漢数字に、それぞれ統一しています。他にも色々と表記を統一する時に気を付けなければいけないことはありますが、これさえしっかり気にして文章を書いていれば小説やラノベの新人賞第一審査はパス出来ると思います。(多分)
《五 最後に》
〝正しい日本語〟の書き方について、以上の四つを紹介させていただきましたが、厳密に言えば気を付けなければいけないことはさらに多くあります。ここで紹介したことはあくまで基本的なものです。表外音訓とか校正規準とか話し出したらキリがありません。小説を書いていると誤字・脱字・誤植、ついでに敬語表現にも気を付けなければならないので字書きは本当に精神が摩耗します。(二回目)
なので、〝正しい日本語〟を書きたい、という方は是非、「推敲・添削・改稿」を積極的に行ってください。推敲は絶対に行ってください。別の端末で表示して見てみるとか、紙に印刷して見てみるとかやってみると結構捗ります。添削はそれを終えてからお願いしましょう。また改稿は面倒ですが、それでも必要があればやってください。小説書いている時でも改稿する回数は多いです。改稿から逃げるな。(ちなみに分頭に「なので」とつけるこの表記。実は間違っているんですよ?)
というわけで以上が〝正しい日本語〟の基本的なルールです。とは言っても自分も文章を書いていく中で完全に間違いを排除することは出来ないのですが、意識するだけでも文章は洗練されていきます。いきなり奇を衒わず、基本的な文章作法を心がけましょう。
p.s.
昨日、胃潰瘍一歩手前と診断され、唸りながら作業していたので上記の「推敲・添削・改稿」は一切出来ておりません。つまり一発勝負です。なんか〝正しい日本語〟について記事を書いているくせにその記事の文章が間違っているとかだとかあるかもしれないです。ほんと推敲って大事ですね。
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