はじめに

こんにちは。DTM班3回生のLen Dilemma(レンジレンマ)です。

ぼくは早押しクイズというものが前々から好きで、クイズ大会の問題集を買ったり、自作問題を身内に出題したりしています。

しかし、せっかく作った問題が十数人のクローズドなコミュニティだけで消費されるのはちょっともったいないし虚しい……ので、この記事を通じて不特定多数の方々に問題を解いてもらいたいなーと思っています。

また、「この問題のどこが早押しクイズ的にミソなのか？」というメタ的な解説文も各問題に付記しています。こういう視点で問題が紐解かれることはあまりないのでぜひ読んでください。

全部で10問ご用意しました。ドラッグして反転することで解答と解説が浮かび上がります。気軽に挑戦して、クイズの楽しさと深さを味わってね！

第一問

ゴキブリのことをやんわりと表現するときの呼び方である、ローマ字で「ゴキブリ」と書いたときの頭文字は何でしょう？

解答：色

解説：いきなり問題文頭で「ゴキブリ」という単語を飛ばすのがお気に入りです。早押しクイズというものは、前提知識がないと問題文を全文聞いても手も足も出ない問題が多く出題されるイメージがあると思います。だからこそ、こういった俗語などの卑近なものに関する問題を定期的に出題することで、「次こそはぼく/わたしの獲れる問題が出るんじゃないか！？」と解答者に常に期待させることが大事だと感じます。（別に前提知識がないと太刀打ちできないような問題を否定するわけではないです）

また、かの株式会社QuizKnockのトップ伊沢拓司氏によると「早押しクイズを何問か出題するとき、一問目は参加者全員が絶対に正解できる問題にしよう！」とのこと。一問目にふさわしい「全員が絶対に正解できる問題」としてもこういう問題は重宝します。

第二問

質問コーナーを表す略語で、 “Q&A”のAはAnswerの略ですが、”FAQ”のAは何の略でしょう？

解答：asked

解説：前者は「Questions & Answers（質問と回答）」を、後者は「Frequently Asked Questions（よくある質問）」をそれぞれ略したものです。質問コーナーを表し、三文字であり、どちらにも”Q”と”A”という文字が使われている、という共通点があるこの2つの略語ですが、”A”という文字は全く違った文脈で用いられている……という点がおもしろポイントです。

ただ、この問題にはひとつ懸念点がありまして、”質問コーナーを表す略語で、Q&A/”まで読まれた段階で押されると

（これはよく見かける略語が何の略なのかを答える問題だな！文脈からしておそらく答えるのは……）「Frequently Asked Questions！」

みたいな感じで答えられると、解答者は何も悪いことをしていないのに正解はあげられなくなっちゃうんです。前置きが長すぎるのが原因かもしれないので「質問コーナーを表す略語で、」というところを省いたほうがいいのかもしれない……修正案お待ちしてます。

第三問

「FF内(えふえふない)」というときのFFはフォローフォロワーを表していますが、「FF9(えふえふないん)」というときのFFは何を表しているでしょう？

解答：ファイナルファンタジー

解説：先程に続き、「略語×ですが問題」をもう一問ご紹介。こういうですが問題を出題するときは、対応関係にある語句（この例でいえば”FF内”と”FF9″）に強勢をおいて読み、解答者に「この問題が『ですが問題』であること」を示唆するという心配りが大事だと思っています。詳しくは「金竜読み」で調べてみよう。というわけで、ぜひ声に出して問題文を読んでみてください。この問題の面白さがわかるかと思います。

身内に出題したらけっこうウケたのでよかった。

第四問

比較的大型の仲間としてクラゲがいる、水の流れに逆らえないほど運動能力に乏しい水中生物群を何というでしょう？

解答：プランクトン　あるいは浮遊生物

解説：「プランクトン」と聞くと微小なサイズの生物を思い浮かべがちです。しかし、その実プランクトンの定義に体長は関係ないためクラゲもプランクトンの仲間に数えられる、ということは意外性のある事実でしょう。

また、問題文中でクラゲを”比較的大型の仲間”という枕詞のもと紹介することで、逆説的に「少なくともクラゲよりは小さい生物群について問うているんだな」と解答者側が推測できるようにし、さらに「クラゲはプランクトンである」という事実を知っている解答者はその時点でボタンを押せる（＝ほぼ確実に得点がもらえる）ようなつくりにしています。

第五問

楽譜の上では増三和音を、カレンダーの上では8月を表すアルファベット三文字は何でしょう？

解答：aug

解説：一応私がDTM班に所属しているということで、音楽に絡めた問題を出してみました。増三和音はいわゆるaugment、オーギュメントコードというやつです。アニソン方面で活躍している作曲家の田中秀和氏の代名詞としても知られています。前者は「aug」とすべて小文字で書かれるのが一般的で、後者は「Aug」や「AUG」と書かれるのが一般的という違いがありますね。

わざわざ「楽譜の上では」と言っているのがポイントです。前半部にこの前置きがあることで、後半部には「楽譜ではない何かの上で書かれているもの」の話が出てくるだろう、と推測ができるようになっています。

第六問

居酒屋、食堂、焼肉といった単語の前に共通してつき、そのお店の価格設定が比較的安いことを示す二文字の熟語は何でしょう？

解答：大衆

解説：一人焼肉をしたときに思いついた問題です。特記すべき事もありませんがめちゃめちゃお気に入りです。「そのお店の価格設定が比較的安いことを示す～」あたりの言い回しとかすごくキレイだと思います（自画自賛）

第七問

創刊号から暫くはアルファベット二文字で”XY”という表記だった、リクルートが発行するブライダル専門の情報誌といえば何でしょう？

解答：『ゼクシィ』

解説：「『ゼクシィ』って、結婚情報誌の割には名前がイカつすぎだろ」と思って調べてみたらこの問題ができました。もともとは男女の染色体をもじって『XY』っていう表記だったけど、今は変わって『ゼクシィ』になったということらしいです。

問題文側の工夫としては、”創刊号からしばらくは”という書き出しから、「この問題は新聞や雑誌のことを問うているな」と推測ができるようになっているくらいです。「創刊号」という言葉は定期刊行物にしか用いられないですからね。

第八問

不快な臭いを表す熟語「悪臭」の対義語とされ、化学では、ベンゼンに代表される化合物群の名称にも用いられる言葉は何でしょう？

解答：芳香

解説：「芳香」という熟語はなんとなく「芳香族化合物」という語の最初の二文字としてなんとなく認識している方が多いのではないでしょうか。少なくとも私はこの問題を作るまで、そもそもこの熟語が「良いにおいであるさま」を表すということを知らず、またそのように用いられている例を身の回りで観測したこともありませんでした。しかし、そんな日常生活での使用頻度が低い二字熟語ながら、我々に馴染み深い「悪臭」という熟語と対義語であるという深い関係で結びついていることは特筆すべきでしょう。

ちなみに、問読みのときは”化学”を「かがく」ではなく「ばけがく」と読んであげる必要があります。”科学”と聞き間違えられるとあまりよろしくないですからね。こういう紛らわしい同音異義語の例は他に「公害」と「光害」、「市立」と「私立」などが挙げられます。